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【高校生】が将来「英語話せるように」なる方法

高校1年生が『英検準一級』を一発合格した勉強法~本人体験談

こんにちは。

このブログは、将来

「英語を話せるようになりたい♪」
「バイリンガルになりたい!」

という『中学・高校生』とその保護者の方向けです。

今回は、

高校1年生が英検準一級に一発合格した方法

をご紹介します。

  • 本記事の信頼性

この記事を書いている筆者は

  • 個人で英会話教室を運営している「英語・英会話」プロ講師
  • 日本生まれ日本育ちで、20歳に初めてアメリカに行くまで英語は全く話せず。もともと人付きあいも苦手だった。
  • 中学・高校の「学校英語」、アメリカでの「生活英語」、英会話スクールで「教える英語」、国際企業で外国人との「ビジネス英語」など、足掛け【33年】英語と携わる。
  • 英検1級 TOEIC 985点

以上の経験をもとにこちらの記事を書きました。参考にしていただければ嬉しいです。

高校1年生が『英検準一級』を一発合格した勉強法~本人体験談

高校生の合格率は?どれだけすごいの?

当教室の生徒さんで、高校1年生の榎田一穂さん(新潟市在住)が、2022年11月に行われた英検準一級を、見事に一発合格されました。

高校生の英検準一級の合格率は12%~15%と言われています。

これ、単なる12~15%ではありません。

準一級の受験者は、

5級⇒4級⇒3級⇒準2級⇒2級

とレベルアップしてきた「英語上級者」たちしかいません。その上級者のなかで、合格するのが12~15%ということです。

いかに狭き門か、というのが分かります。

ちなみに、高校生の「一次試験」の合格率は15~18%、「二次試験」は約90%と言われています。

なので、最大の難関は「一次試験」、つまり

・リーディング
・リスニング
・ライティング

の3技能をいかにマスターするか?が重要になります。

そこで、

「どんな勉強法?」
「何時間くらい勉強した?」
「塾や教室に通った?」

などのポイントを、本人の体験談をもとに、講師の学習アドバイスを交えてまとめました。これから準一級を受けようと思っている高校生は、ぜひ参考にしてみてください。

準一級を受けるまでの下地は?

__これまで、どんな英語学習をしてきましたか?

(一穂さん:以下、敬称略)わたしは今まで、英会話スクールや英語専門の塾に通ったことはないんです。ずっと公文に通っていて、英語もそこで習いました。それでも学校の英語はずっと得意科目でした。


__それまでの英検の合格歴を教えて?

(一穂)
小学4年生で4級
6年生で3級
中1で準2級
中2~中3で2級に合格しました。

対策は、公文でやる英語の勉強と、あとは自分で問題やってました


__3級から二次試験がありますが、その対策も自分で?

(一穂)はい、特にスクールとかで対策とかやったわけではないです。3級、準2級までは、それでも合格できたけど、2級の二次試験で初めて対策の必要性を感じて、こちらのスクールにお世話になりました。

準一級にむけての準備期間は?

__準備し始めてから、合格するまでの期間は?

(一穂)だいたい5か月くらいです。2022年の6月から準備し始めて、一次試験が11月初旬に、二次試験は12月初旬にありました。


__準備期間は十分でしたか?

(一穂)はい。一次試験までの5か月で、自分のやれることは全部やったので、仮に合格できなくても悔いはない!という思いで受験しました。

でも、二次試験は...もっと日数が欲しかったです!一次試験の合格発表から、二次試験まで10日ほどしかなかったので。

自分でやること・スクールでやること

ちなみに、当教室で一穂さんといっしょに学習した内容は、以下の通りです。

一次試験】
✓長期(3か月~6か月)の計画をたてる
✓まず過去問にトライ(現在地を知る)
✓瞬発力(英語脳切り替え練習)
✓毎週、語彙のチェック
✓長文は『音読』しながら読解
✓ライティング(毎回の添削を受けて、改善する)
✓リスニング(問題演習)
✓3か月経った頃にまた『過去問』&軌道修正
✓試験前2週間は過去問で「実践演習」&「振り返り」

二次試験】
✓スピーキング実習(過去問)
✓やり取りを『録音』して聞き直して自己チェック


__自分でやる勉強は主にどんなことをやっていましたか?

(一穂)えーと、「語彙」を覚える、「ライティング」をたくさん書いて先生に提出、添削された内容をふまえてもう1度「ライティング」する、「リスニング」音源を聞く、「長文」問題を解く、とかですね。

本番が近くなってくるにつれて、自分でやる勉強も問題演習を増やしてました。

二級で80%以上とれますか?

上記にも書きましたが、まず「英検準一級」の過去問をやってみましょう。それにより今のあなたの現在地を確認します。

もしその結果が50%以下だった場合、一度【英検二級】に戻って学習した方がよいでしょう。合格していたとしても、です。

まず【英検二級】問題で80%を取れるように基礎力をつける方が、英検準一級の合格には近道です。

英検用『1週間の時間割』

__英検に向けての1週間の時間割を教えて?

(一穂)平日の月曜~金曜は、学校に行く前に5:00~6:00の1時間、英検用の勉強をしました。

上田先生(ことばの両利き舎講師)との授業が、火曜の夕方に1時間あって、そこで分からないところの質問、語彙の小テスト、実践形式の問題演習、英会話練習、勉強方法の確認などをやりました。


__土日は?

(一穂)土日は、朝は遅めに起きて少しゆっくりしてました。それでも、土曜日は1時間くらい英検用に勉強時間を確保してました。

日曜は、英検対策はお休みの日にしました。それでも、学校の勉強をしないといけなかったけど。

【大問1】対策

語彙(ごい)力があるか、ないか

__大問1は語彙力があるか・ないかで、ほぼ決まってしまいます。毎週、一定数の英単語を覚えるように宿題を出していたので、それが大問1の対策になりました。

また、講師から、

「大問1は聞いたことの無い単語や熟語が多く出てくる。なので半分正解すれば万々歳。半分以下だったとしても仕方がない。知らない語彙が出てきたら、どんなに一生懸命考えても分からないので、ここであまり時間はかけ過ぎないように。」

という風に伝えていました。

(一穂)はい。先生から上記のように言われたので、あまり時間をかけずに思い切りよくやろうと思っていました。

ただ本番では、自分の知っている単語が結構出題されて(!)予測していたよりも多く正解できました♪

語彙(ごい)力はどの級でも必須!

一穂さんは、語彙(ごい)力アップのために、旺文社の「出る順パス単」という単語集で語彙を覚えたそうです。

この単語集の「出る度A」の単語は確実に覚えてください(他の出版社の単語集でももちろんOKです)。要するに頻出単語は必ず覚えてください、ということ。

この頻出単語を覚えていないと、大問1の語彙問題だけでなく、長文問題やリスニング問題でも、間違いなく苦戦するでしょう。

まずはこの「出る度A」の単語(つまり頻出単語)をを確実に覚えましょう!

【大問2・3】長文対策

読解力編

__こちらの授業で「長文対策」の練習をする際は、『音読』も合わせてやりましたたよね。

(一穂)はい、意外でした。『読解力』って、「読む」ことで磨くんだと思ってました。


__もちろん、それも大切ですよ。ただ、「言葉」は、「言う」ことや「書く」こととは切っても切り離せない関係です。「理解」するって「脳」だけの仕事ではないんですね。

アタマの中で読むだけよりも、

「声に出して読む」
「書き取りする」

などの「身体の動き」と連動させる方が、記憶に定着しやすいし、また脳の活性化にもなります。

当教室の授業では、長文を、

・黙読して
・音読して
・文の意味を理解して、そして
・質問に答える

の流れを繰り返すという対策しました。もちろん、時間はかかりますが、付け焼刃でなくしっかりとした『実力』をつけたい際は効果的なトレーニング法です。

英検準一級レベルでは、小手先のテクニックあいまいな理解で合格することはできません。なので上記のような勉強法を繰り返しやることが重要です。

テクニック編

続いて長文対策の「テクニック」の話をします。

【長文は、一段落ずつ理解して、設問を読み、答えを探す】

ということです。

【大問2】では長文が2つ出題されます。そして一つの長文につき、3つの質問が出ます。

2022年度第3回検定一次試験(準1級)

日本英語検定協会ホームページから抜粋
(https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/grade_p1/pdf/202203/2022-3-1ji-p1kyu.pdf)

一つの長文は3段落あり、質問はそれぞれの段落でひとつづつです。上の例では一段落目については(26)、二段落目は(27)、三段落目は(28)です。

ここで、全文を読んでから質問を読むのではなく、

第一段落を読んだところで一つ目の質問に答える
第二段落を読んだところで二つ目の質問に答える
第三段落...

という風に、段落ごとに質問に答える作戦が効果的です。

そして、3つ目の質問まで読んでみて、「分からない」箇所があったり、理解が「あいまい」な場合は、第一段落に戻って、全文を読み直して理解を深める、という風にしましょう。

【大問3】では長文が3つ出題されます。そして一つの長文につき、3つ又は4つの質問が出ます。

ここも同様に、全文を読んでから質問を読むのではなく、

第一段落を読んだところで一つ目の質問を読む
第二段落を読んだところで二つ目の質問を読む
第三段落...

という風に、段落ごとに質問に答えるようにするとよいでしょう。もし、【質問】と【段落の内容】とがマッチしないようなら、回答はいったん保留して、本文を読み進めます

そして「分からない」箇所や、理解が「あいまい」な場合は、第一段落に戻って、全文を読み直して理解を深めましょう。

英検は「社会問題」「環境問題」「世界史」などに関する長文が多く出題されます。なるべくこういったジャンルの英語長文を読みこむ練習をしておきましょう。

【リスニング】対策

Photo by Ben Mullins on Unsplash

__リスニング対策はどうやりましたか?

(一穂)普段から、生活の中で英語に触れる時間を作っていました。映画を字幕なしで見てみたり、YouTubeで英語の動画を見てみたり。あと、UKロックが好きで英語の曲もたくさん聞いてました。


__本人が普段から英語耳を鍛えていたので、下地がしっかりしていました。なので、こちらの教室では問題演習を中心にやって、間違えた問題は、「聞き直し」と「スクリプトの確認」をやって、問題対策をするだけで十分でした。

リスニング対策」についての効果的な学習法は、

  1. 何も見ずに音源だけを聞いて音マネ
  2. スクリプトを見る
  3. 日本語の意味をおさえる
  4. 意味をおさえたうえで、また音源の音マネ

というサイクルを繰り返すことです。それをいろんなバリエーションの英語でやりましょう。

詳しく知りたい場合は、以下の記事に書いてありますので、ぜひ読んでみてください。「英検準一級」の問題を題材にして、この学習法をやることでリスニング対策はバッチリです。

【ライティング】対策

__ライティングは一題しか出題されないですが、全体の三分の一の配点です。対策がとても大切になる箇所です。ライティング対策は?

(一穂)インターネットで模擬問題を探して、それを使っていろいろなテーマでライティング練習しました。


__毎週4,5題やってきてましたよね!それを、講師が添削して改善点を指摘して返却していました。その際に、以下についてしっかりやるように伝えました。

1.質問で聞かれていることに答える
2.自分の主張をサポートする理由を2つ述べる
3.全体を通して筋が通っている


(一穂)はい。最初の1,2か月は上記の点を確実に出来るように練習しました。


__で、それができるようになったら、講師が添削するポイントを変えました。具体的には、

1.文法事項のチェック
2.使用する単語・熟語・フレーズのチェック

をするようにしました。

(一穂)たしか最初の1,2か月では全体の構成をしっかり作るとか、自分の主張をスムーズに展開していくとか、そのあたりの添削が多かったです。その後に、より細かい点、文法とか語彙(ごい)の修正をしていった気がします。おかげで、順を追って文章の精度を上げていくことができました。

【スピーキング】対策

自分のスピーキングを録音して自己分析

__スピーキングは、準一級レベルになると、1週間やそこらの「詰め込み」で対応できるものではありません。

(一穂)一次試験の合格発表と、二次試験本番までが、10日~2週間程度だったので...一次試験に合格して喜んでいる時間もないままに。


__そうでしたね! なので、

・とにかく過去問で練習し、それを録音
・そのやりとりを自分で聞いて、自己分析
・講師から助言

という対策をしました。特に、

録音して、自分で聞いてみる」という振り返り作業は大切です。自分では「言えてる」と思っていても、相手の立場にたって聞いてみると「あれ?今、なんていったんだ?」と思うようなことは当たり前にあるからです。

練習する際は「書いて」から「話す」

準備の際に大切なのが、いきなりスピーキング練習するのでなく、ノートに回答を「書く」ことです。

一次試験に合格する人は、「読み・書き」のレベルはすでに高いはずです。なので、スピーキング試験も、まず問題文を「読む」、そして回答を「書く」練習をします。

そして次に、実際と同じように問題を「聞いて」回答を「話す」をするといいでしょう。そうやって少しづつハードルを上げていって、本番と同じ形式に慣れていくと一番無駄が少なく効率的に準備できますよ!

まとめ

実際の合格証書

__最終的な結果を教えてください。

(一穂)
一次試験:八割以上の正解率
二次試験:合格ラインぎりぎり

という感じで合格できました!


__合格証書まで共有してもらって、一穂さん、ありがとうございます!

海外に長期滞在したことのない日本人の高校生が、英検準一級を合格するのは、並大抵のことではありません

しかし、しっかりと計画を立てて、それを実行し、軌道修正を繰り返しながら学習すれば、高校生でも合格できるということを、一穂さんが実証してくれました。

これから英検準一級を受けようと思っている高校生の人は、ぜひ参考になさってください。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

記事執筆者:上田卓史

教室HP:中学・高校生の英語・英会話|新潟
教室ツイッター:https://twitter.com/ryokikisha
動画教材:https://www.youtube.com/@user-ex9wz7yt8m

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