こんにちは。
先日、YouTubeで山本清先生という方の動画を見ました。英語学習に「音読」が効果的だという内容で、その科学的根拠を説明してくれている動画です。
私も普段、レッスンで生徒さんによく音読をしてもらいますが、頭の中だけでなく、実際に口に出して練習することで効果が増すと実感しています。黙って聞くだけ、黙って読むだけよりも、生徒さん自身に口や手を動かしてやってもらう方が、確実に記憶に残ると感じています。
一般的に「音読」は、五感を使うことで、英文をより効果的に脳の長期記憶に定着させることができると言われています。文字を目で追い(視覚)、声に出し(触覚・運動感覚)、自分の発音を耳で聞く(聴覚)ことで、脳の複数の領域が刺激され活性化する。その結果、記憶が強化され、単なる黙読よりも定着率が劇的にアップするのだそう。
今回は、その「音読」の効果について、山本先生の動画で解説されていた科学的根拠3つをご紹介します。
チャンクが脳内に蓄積される
1つ目は、「音読」をたくさんすることで英文の“チャンク”が脳内に記憶されていくからです。“チャンク”とは、2〜8語程度の単語のカタマリのことを指します。例えば、
・I’d like to ~
・I look forward to ~
・It’s time to ~
のようなものです。
英語が母国語の人は、バラバラの単語を文法で組み合わせて話しているのではなく、この“チャンク”を組み合わせていると言われています。彼らが話したり書いたりしている内容の50~80%は、このチャンクの組み合わせで英文を作っているのだそう。
LEGOブロックを例に挙げてみましょう。
ブロックを組み立てて「家」を作りたい場合、バラバラのブロックを1つ1つ組み合わせて家を作るのは作業量が膨大になりますが、最初から「壁」、「床」、「屋根」など、家に必要なパーツが出来上がっていれば、そのパーツをつなぎ合わせるだけなので、より速く、より少ない努力で家を作り上げることができます。
それと同じで、バラバラの単語でなく、チャンクを使って文を作る事で、より速く、より少ない努力で英文を作ることができます。そして、そのチャンクを脳内に記憶させておくために有効なのが英文の「音読」なのです。
脳内に余裕が生まれる
2つ目は、チャンクが頭の中に記憶されていると、脳内に余裕が生まれるということです。
チャンクが定着していない人は、バラバラの単語を1つ1つ組み合わせて英文を作るため、作業量が膨大になり、脳内がフル稼働しています。そのため、相手の言ったことを聞きとったり、内容を理解したりすることに使う容量が残っていません。その結果、コミュニケーションのスピードが遅くなってしまいます。
反対にチャンクがしっかり定着している人は、既に出来上がっているパーツ同士をつなげるだけなので、脳の容量はそこまで使いません。その結果、脳内の仕事場に空きスペースが生まれるため、文章を組み立てること以外にも容量を使うことができます。
その空き容量を使って相手の話す英語を聞き取ったり、内容を理解したり、自分が話したい内容を考えたりなど、他の作業をすることができます。その結果、よりスムーズなコミュニケーションが可能になります。
脳内音声のスピードが上がる
3つ目は、「音読」をたくさんやることで脳内音声のスピードがあがるということです。
英文を黙読している際、私たちの頭の中では英文の音声が流れています。そして、「音読」練習をたくさんやることで、その脳内音声のスピードが速くなるというのです。その結果、黙読による長文読解のスピードも速くなるのだそう。
なので、スピーキング力だけでなくリーディング力の向上にも音読は効果的だということです。
音読の際に意識すること
「音読」が効果的だといっても、やみくもに読んだり、棒読みだったりでは効果は期待できません。
まず、音読をする英文の意味をしっかりおさえましょう。内容を理解したうえで、主語や述語動詞など、意味のつながりや区切りを意識して音読します。
さらに、文の中で重要な語を強めに言うなど、強弱や抑揚をつけながら音読してください。
そして、1回や2回でなく、何回も音読練習することです。人に聞いてもらったり、録音して自分の音読を聞くなど、自分の英語を客観的にチェックすることができればさらに良いでしょう。
単語は覚えないでいいの?
チャンクを覚えることも大事ですが、初級~中級レベルは、まずは1つ1つの単語を覚えることを優先してください。というのも、初級~中級で習う単語は、1語で大きな意味をもつ単語が多いからです。
例えば、“What” や “Where”などの疑問詞は、数多くの場面で使われ、別の単語との組み合わせも無数にあるので、チャンクの前に単語として覚える必要があります。
また、“apple”や“car”などの名詞も、1語ずつ覚える必要があります。
反対に、“take”、“get”、“make”のように、語句として出てくることが多いものは、“take out”、“get used to”、“make a decision”のようなチャンクとして覚えるのが良いと思います。
ある程度知っている単語が増えてきた段階で、チャンク(熟語など)も追加していくのが良いと思います。
音読練習は面倒くさい、だから差が出る
さて、ここまで効果があると言われている「音読」が、なぜあまり普及していないのでしょうか?
それは、「音読」が大変で骨が折れるからです。
実際に英文を声を出して、発音やイントネーション、意味の区切りなどを意識しながら読むことはエネルギーを使います。でも、だからこそ、「音読」をしっかり続けた人とそうでない人とでは大きな「差」が生まれて、それが実社会で英語を使える人とそうでない人との差につながってくるのだと思います。
本気で英語力を上げたい人や、将来留学を目指している人、英語を使って仕事をしたいという人は、ぜひ「音読」を習慣にしてみてください。
より詳しい説明は、下記のリンクから山本先生の動画をご覧になってください。
【非常識な真実】英語の4技能は「音読1000回」でしか伸びない?脳のメモリを解放する科学的アプローチ
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
上田卓史
メイドインNIIGATAの国際人を育てる|ことばの両利き舎
